自閉っ子のための友だち入門

友だちができない、いじめられる。
友だちがほしくない。

発達障害の子と「友だち作り」について
大人になった発達障害の人たち(大学教授・作家・翻訳家)と
現場の教師、臨床心理士が語った画期的な一冊。

著者: 社会(みんな)の中で生きる子どもを育む会

今回の執筆陣
ニキ・リンコ(翻訳家)、藤家寛子(作家)、愛甲修子(臨床心理士)、真鍋祐子(東京大学教授)、栗林先生(中田大地君の特別支援コーディネーター)



自閉っ子のための友だち入門
社会(みんな)の中で生きる子どもを育む会 著
 1,600円+税
――目次――

1.気がついたら、友だちがいた
  藤家寛子 (作家・販売員)

2.喧嘩、いじめ、そして友情

  子どもがそれでも学校に行く理由とは?
  栗林先生 (小学校教諭・特別支援教育コーディネーター)

  栗林先生が担任になるとラッキーなのか?
  ラッキーかどうか決めるのは教師ではなく子ども
  教育は現場で起きているんだけど
  今後、国としてはどっちの方向に向かっていきそう?
  学校と人格形成
  学校は社会
  友だちは社会の入り口
  なぜ教師というのは「みんな仲良く」と唱える生き物なのか
  友だちはいた方がいいけれど
  教師の本音に触れてみる
 「みんな仲良く」を発達デコボコの子は誤解する
  友だちは選んでいい
  教師のメンタルヘルスはなぜ・・・
  先生を嫌いな子もいるでしょ
  いじめを紐解いて解決していく
  子どもの発達には「他人の大人」が必要
  いじめている側にはどう働きかけるか
  被害者、加害者、両方に働きかける理由
  障害がある子同士のトラブル
  喧嘩はしてもいい、いじめはだめ
  軽度の子が重度の子をいじめたら
  人工的に不登校やいじめを作らない
  特別支援教育コーディネーターって何者?
  保護者が制度に対してできること
  健常児による障害理解をどこまで求めるか?
  着るかもしれない服は買わない
  児童と教師、それぞれの家庭の文化
  友だち作ろう作戦はいらない

3.友だち観の変遷
 「教室の備品」から「提出物化」を経て「生身のニンゲン」へ
  ニキ・リンコ(翻訳家)

4.根っこの部分で「人間が好き」だった
  真鍋祐子(研究者)

  友だちほしいかほしくないか
  教師が抱く望ましい友だち像
  大人の気に入る相手ではなくても
  自分の力で生きていこう
  友だちという言葉の呪縛
  ひとりの時期をプラスにする
  研究職と社会性
  親が臆病でないことはありがたいこと
  小学校一年生から金銭教育を受けた
  他人が右を行けば、左へ行け
  全人的にかかわらなくていい
  人には両面ある

5.友だちほしい人もほしくない人も
  それぞれ幸せになれます
  愛甲修子(臨床心理士・言語聴覚士)

 「友だちいらない」は順調は生育のサイン
 「友だちいなくていいよ」という言葉で安心できる
  それでも友だちほしい人にはどういう発達援助をするか?
  カウンセラーとしてはどういう対応をするか?
  選ぶ力をつけるカウンセリングとは?
  関係性の発達をどうアセスメントするか?
  友だちづくりへの過信?
  友だちいないことと、いじめられること
  友だちをほしがらないことは、勇気のあること
  関係性がどこまで発達しているか身体から見抜く
  かかわり方の資質
  お友だちができた人たち
  大人になったら友だちができる?

6.あとがきに代えて
  自分の社会性を棚卸ししてみる

  浅見淳子(編集者)

  本書の編集を終えて
  私の社会性を棚卸ししてみる